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本当はジメジメしている札幌と北海道の夏

夏に、よくテレビ・ラジオなどで「今日は北海道らしいカラッとした爽やかな天気ですね」という言葉を聞く。これを聞くと北海道の夏は本州に比べてカラッとしているのではと思えてしまう。しかし私の体験から言えば、これはデマである。道東は置いといて札幌の話をしよう。まず5月から6月半ばくらいまでは確かに晴れの日が多いと思う。そして爽やかである。また6月半ばから7月上旬も晴天が多いような気がするが、ただ年によってはどんより曇ってたまに弱い雨が降るという、まさに北海道らしい天気が続くときもある。この時期、本州は梅雨なので本州に比べてカラッとしているというのは真実であろう。しかし本州が梅雨明けする、7月下旬からは本当にジメジメしているというのが私の実感である。どんより曇った日が多く、たまにパラパラと雨が降る。だからといって本州の梅雨のようには決して大雨にはならない。そんな天気が10月半ばまで続き、そして冬の冬型の気圧配置がやってくるというのが印象だ。冒頭に書いた「北海道らしいカラッとした」という発言をする人は単にそう実感しているわけでなく、子供の頃からそう言われているので決まり文句のように言っているだけだろう。いったいこの真実とは程遠い言葉はどこから来たのだろうか。旅行会社あたりが、北海道旅行のキャンペーン用に作ったのではないかと思えてしまうのだが。
さて道東だが、(道東には住んだことはないので正確さは欠けるのだが)本当にジメジメしているというのが実感である。以前、8月下旬に道東の中標津というところに行ってきたことがあるが、1周間霧の中であった。その前1周間もずっとそうであったらしい。緯度的には札幌と変わらないのだが、田んぼも畑もない。日が照らないから作物がならないのであろう。牛だけである。だから、夏に知床やら、釧路やらの道東方面に行くと、まあ、天気は悪いと思ったほうがいいのである。私自身も夏に道東、道北方面に旅をしてカラッと晴れたというのはほとんど記憶が無い。晴れてたかどうかは不明だが美幌峠から見た屈斜路湖が綺麗だったという記憶しかない。どんより曇りでしとしと雨が降っていたという記憶はたくさんある。それが北海道の夏らしい天気なのである。

2020年6月28日

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