本の思いで トップ

地主の没落は必然だった

農地改革で地主階級が没落したという。確かにそうなのだが、たとえ農地改革をしなくても遅かれ早かれ農業が機械化されれば没落する運命にあったはずだ。だから昭和40年頃には没落していたということだ。太宰治の生家は大地主で200町土地を持ってたようだ。機械化されていない当時、1人の労働力で例えば1町扱えたとしよう。ということは200町を運営するには200人の労働が必要だったわけである。地主が労働成果の2割を土地代としてもらったとしたら、その地主の収入は200×0.2=40人分の労働になるわけだ。ところが機械化が進んだ結果、1人で例えば10町扱えるようになり(数字は適当)、その結果200町を運営するには20人ですむようになったとしよう。同じように労働成果の2割を土地代とすると地主の収入は20×0.2=4人分になるというわけである。簡単に言えば機械化の進行によって200人従業員がいる会社が、20人従業員がいる会社になってしまうというわけである。そして20人の会社の社長のほうが収入は少ないというわけである。これが地主没落が必然だった理由である。

2014年6月19日

本の思いで トップ