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国として労働力不足なんてことはありうるか

「日本は高齢化で労働力が不足する。だから外国人労働者を受け入れなければならない。」という発言をよく聞くが、これは一体どういう意味だろうか。国全体として、労働力が不足とはどういう意味だろうか。物を買ったりサービスを受けるとお金を払う。つまり他人から労働力をもらって、自分はお金を払うわけだ。そしてそのお金は自分が労働をして得ているわけだ。つまりお金を介して我々は労働力を交換しているのだ。これは国同士でも言えることである。国同士が労働力を交換しているのだ。となるとたとえ外国人労働者を受け入れたとしてもそれは単にその外国人と日本人が労働を交換するだけなのだから、日本国としての労働力は全く増えないはずである。つまり外国人が日本人に労働を与えてもその分日本人がその外国人に与えなければいけないから、日本人が受け取る労働はプラスマイナスゼロのはずである。それとも日本で今までためた巨額の経常収支で外国人労働に対して支払うという意味だろうか。つまり過去の過剰労働分(外国に対してという意味)を今後返してもらうということだろうか。それとも今は高齢者の面倒は年金や税金等で見ている。つまり労働世代が面倒を見ている。そして今後の日本はこの労働世代が減る。それを埋めてもらおうということだろうか。しかし、これほど虫の良いことはない。外国人はあちらで育ててもらったのである。だから当然働ける年になったら、今度は育ててもらった世代に対して税金などの形で報いるべきなのだ。それを育ててもらうのは外国、税金は日本でもらうなど虫もいいもいいところである。実際のところは「日本は高齢化で労働力が不足する」という発言をする人は単に安い単純労働者がほしいだけなのだろう。彼らは自分がしたくないことをしてもらいた。日本人ではする人がいないような仕事を(実はいないのではなくて自分たちが得ている所得よりずっと安い給料で働く日本人がいないというだけなのだが。皿洗いが時給10万円なら高級労働(そんな言葉ないか)をしている人もやめて単純労働者になるよ。)外国人にやってもらいたというだけなのである。決して高級労働者を受け入れて、経営者、政治家、弁護士、医者はすべて外国人、ウエートレスや警備員は日本人という意味ではないのである。上記発言は簡単にいえば、昔良く経営者団体が言っていた「日本人労働者の給料は高すぎる」とだいたい同じ意味なのである。

2014年6月19日

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