その他(天文学、科学一般、哲学)の本

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天文学

え~まずお断りしときますが、私は天文学に関して全くのど素人です。そのど素人からみてよかった本を書きます。まず鈴木敬信さんが書かれた誠文堂新光社のはじめての天文学 (1973年)がお薦めです。子供向きに書かれた本ですが、極めてわかりやすいです。私のような天文学素人には本当にいいです。私も古本屋で買ったんですが、アマゾンでも古書が売ってるようです。それも安く。それから教科書風の本として同じ鈴木敬信さんが書かれた地人書館の天文学通論 増補版がよい本です。私はたまに参考にしています。通読はしてません。それから高校生用の受験参考書ですが新地学 (チャート式シリーズ)もなかなかためになります。そしてぜひともお薦めしたいのが、それでも地球は回っている―近代以前の天文学史です。天文学の歴史がきわめてわかりやすく、しかもスリリングに書かれています。それから 時とはなにか 暦の起源から相対論的“時”まで (講談社学術文庫) も非常に名著です。年月や時刻、時間というものをどのようにに決めてきたか、又現在決めているかというのをわかりやすく書いています。もともとはブルーバックスだったようです。

科学一般

数学の一般向け書として零の発見―数学の生い立ち (岩波新書)は実に名著だと思います。零の発見とは要するに、くらい取りの記数法の発明のことなんですが。それからポアンカレの科学と仮説 (岩波文庫)は印象深いです。というのはこの本で実数の意味がわかったと思えたからです。通読はしてません。物理の一般向けに書かれた本では朝永振一郎さんの物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書) 〈下〉 はなかなかいいと思いました。科学哲学では物理学の哲学的基礎―-科学の哲学への序説- (1968年)を若いときに古本屋で買って読みましたね。結構面白かった記憶がありますね。マッハに近い考えだったと思います。
非ユークリッド幾何に関してはブルーバックスの非ユークリッド幾何の世界―幾何学の原点をさぐる (ブルーバックス) (寺坂英孝著)が読みやすい上に優れた本です。ブルーバックスの本はいい加減な本が多いんですが、これは違います。さすが幾何の大家が書いた本だと思いました。非ユークリッド幾何のモデルがいいです。残念ながら絶版のようですが図書館にはあるでしょう。

数学一般

初等数学教育の大家が書いた本で、数学の学び方・教え方 (岩波新書 青版 822)は名著だと思います。この遠山啓さんの教育方法にはいろいろと批判があるようですが、それなりの考えは持っている人だとは思います。内容は小学校の算数です。あと中学数学が少し。遠山啓さんの書かれた本は味わい深い本がおおいです。私もこれほどの人とはおもいませんでした。無限と連続―現代数学の展望 (岩波新書 青版 96)は現代数学の考え方をおもしろく巧みに伝えていると思います。現代数学の特徴とは、集合と構造です。それから、数学入門〈上〉<下> (岩波新書)もなかなかおもしろそうです。 それから、この遠山啓さん編集の本ですが「だれにもわかる算数教室、全5巻、毎日新聞社1981年」は非常にいい本だと思いました。数学教育の大家だな~と思いましたね。この本は漫画の絵もかわいいし、いい本ですね。掛け算の分配法則なんかも成り立つのが当たり前と思えるように巧みに説明していますし、割り算の分配法則も当たり前に思わせるように説明しています。絶版なのは残念です。

平面幾何についての私の感想など

私の想像では、遠山さんはユーグリッド流の幾何を中等教育でたくさんやるのを反対したんじゃないかな~。それに対して小平邦彦さんあたりがすごく批判しているのですが。ちょっとそれについて私の意見を書かしていただきます。戦前どれくらい旧制中学でユーグリッド流の幾何をやっていたか又、どの程度のレベルのユーグリッド流の幾何をしたかを私はよくしりません。私の世代だと、中学校で少しやる程度だったと思います。わたしの個人的な意見ですが、今の中学校でユーグリッド流の幾何をやるのは、少し難しいのではないかと思います。というのはユーグリッド流の幾何はかなり厳密な論理を展開していて内容が難しいです。昔の旧制中学は5人に1人くらいの進学率だったと聞きます。だからある程度できる人が入っていたわけですが、今の100%進学の中学では難しいかな~とは思いますね。高校でならいいかな~とは思います。ただ、あまり実用性がないんですよね。ユーグリッド流の幾何は。

哲学など

哲学ではヒュームの人間知性研究 が私は好きです。観念が経験からくるという話だけなんですけどね。まあ、なるほどなとは思いましたね。この本は人間本性論の第1部を後年わかりやすいようにまとめたものです。たしかに人間本性論よりはわかりやすく書かれています。あとヒュームのヒューム 道徳・政治・文学論集 で、これは短いエッセイからなるんですが、学芸の発展の原因の説はなるほどそうだな~と思いました。中国では学問が停滞し、ギリシャで発展した理由なんですけど。要するに学問に権威ができてしまって、それを批判するのが難しい状況になると、学問は衰えるということです。中国は1国に統一されていて、権威がいきわたりやすい。ギリシャは小さな国に分かれていて権威はいきわたらない。まあ、簡単に解説すれば、そんなことが書いてあるわけです。

ショーペンハウアーの意思と表象としての世界は哲学書としては異例なくらい読みやすい本です。まあ、幾つかの見解については新鮮だな~と思いましたがが、大部分はとんでも本のような内容な気がします。でもカントの純粋理性批判よりはずっといいと思いますよ。あの本は最初から最後まで全く意味不明ですから、なにかエジプト象形文字で書かれているようで感想の書きようもありません。ショーペンハウアーが書いた本なら新潮文庫の幸福についてが安くて(594円)読みやすいでしょう。でもこの人は本当に不幸な人だったんだろうなあとは思いますよ。著作から想像するとね。

哲学書とは言い難いけど、仏陀の真理の言葉・感興の言葉は知恵のある言葉が多いです。お釈迦さまという人は賢い人だったんだな~と思いますよ。まあ仏陀のような生き方をしようとは思わないけどね。