札幌のフォークシンガー

耐寒奮闘記トップ 段ボールの部屋 耐寒奮闘記

耐寒奮闘記 

名古屋から札幌の郊外、藤野に引っ越してきて最初の冬。私はできるだけお金を使わず、暖房を使わず、工夫をして寒い冬を過ごしてみた。我が家は札幌の郊外にある築40年の一軒家。かなりボロい。札幌市内だが、ただ行政区画が札幌というだけ。標高は200m弱。私の観測によると、冬の朝は街中にある札幌管区気象台より平均して3度くらい気温が低い。晴れた日など6度位低い。毎朝外気温を観測していたが一番下った朝は-16度。積雪は1月の後半までは札幌管区気象台とほぼ同じだったが、それ以降は常に多かった。3月11日に138cmまで達した。一方気象台では最高で1mちょっとぐらいだった。根雪が終わったのは気象台が4月7日。我が家の積雪計では4月17日と10日遅かった。

3月11日。積雪がピークの頃の我が家。この頃は暖房もほとんど使わず

3月11日。駐車場。雪かきはいい運動だったが。初老の人間にはこたえる。

そんな寒いところで暖房費を節約して、無職の私はじっと家で過ごした。人に合うこともほとんどなかった。風はひかなかった。寒くなるにつれて食事の量が増えた。寒いと発熱が多くなるように体ができているのであろう。これが冬への適用である。雀のような小さな鳥も冬の間中みかけた。驚きであった。寒さが1番きついと感じたのは12月くらいで、3月にもなると体が慣れて、ほとんどストーブを付けなかった。服は知人がフリースをくれたのでそれを着た。これが温かいのなんのって驚いた。それから裏ボア付きのズボン。これを2まい重ね着した。いろいろ防寒に工夫を凝らしたが最も効果があったのはダンボールで部屋を作ったことだ。これは本当に暖かく、中にある電灯、パソコン、体温で温まり、快適に過ごせた。詳細を別ページに書いておいた。水道については冬の間、夜は毎回水抜きしていた。だから実質的には一度も凍結していない。冬の間に使った灯油は台所と風呂(ボイラー式でガスは使わない)と暖房合わせて100リットル程度。おそらく暖房では75リットルくらい使ったであろう。200リットル以内という目標を楽にクリアーした。

布団、服

真冬になると寝室は寝るときから氷点下だった。そして起きると氷点下5度のときもあった。そんなところで寝られるかと思うかもしれないが、毎晩熟睡していた。11月くらい、まだ体が慣れておらず、ふとんや服がまだ完全に冬対策になっていない頃は眠れない時もあった。その後布団、服を多くし、体も慣れたので毎晩熟睡するようになった。布団は敷布団を2枚に毛布1枚、掛け布団2つに毛布1枚。それから布団の下にアルミシート。服はフリースの服を3枚重ね着。フリースはかさばらないので3枚着ても気にならない。ズボンは薄いジャージに裏ボア付きのズボン。そんな格好で寝た。真冬に部屋で過冷却現象を見た。水はゆっくり冷やすと氷点下でも凍らない。寝室においてあった水が朝凍っていなかったのを不思議に思って、ちょっと揺らしたら一瞬で凍った。面白いと思い過冷却の実験をしてみた。普段の生活時の服はフリース3枚着て裏ボア付きの、なんて言うんだろうパーカーというのか、それを着た。かなり着ぶくれである。ズボンは裏ボア付きのを2枚重ね着、これも着膨れである。ソックスはダイソーで買ったパイルソックスを履いた。これは100円とは思えない暖かさだった。

知人がくれたフリース。ユニクロで1000円

裏ボア付きズボン。ファッションセンターしまむらで1500円。

裏ボア付きパーカー。ファッションセンターしまむらで2300円。

なんで、そんなに節約して寒い冬を過ごすのかといえば、まず無職無収入だったこと。収入がないと、貯金があってもどうしても節約ぎみになる。それと少ない暖房で工夫して生活してみたかった。自分に試練を与えるのが好きなのである。私は常々心のなかで、気違いみたいに暖房をたく北海道人を馬鹿にしているのである。私は学生の頃札幌に住んでたのだが、1軒屋では1月に灯油480リットル使うと聞いてあきれたものだ。冬に北海道の人の家に行くと暑かった。5月になっても暖房をつけていた。

ドアに雪が入って開け閉めが悪くなった時は砂糖をかけて溶かした。氷点を降下させたのだ。塩だと錆びるかな~と思ってやめた。それから2階のドアが雪の重みで開かなくなった。春になったら開くようになった。

水道補修

水抜きを毎日しているせいか、水道でもトラブルが発生した。減圧弁が噴水を起こして台所が水浸しになってしまった。それも自分で大型プライヤーを2つ買って直した。節約である。それから洗濯機の水道も水漏れ。これも自分で直した。インターネットでの情報が役に立った。DIYをするにはネットは使える。

水道修理。蛇口をとったところ

この減圧弁から水が噴出

減圧弁をはずしたところ

大型プライヤー。700円。これで水道修理。これを2つ買った。

灯油

ストーブは実質的には12月半ばまで使わなかった。これは無理し過ぎである。ストーブは少しでもいいからつけたほうがいい。つけた時に体を温めるのである。人の体は保温性が高いからちょっとやそっとでは冷めない。これが北海道の人が室内を気違いみたいに暖房する理由である。体を温めといて外に出ればすぐには体は冷えない。風呂の後体がほてるのと同じである。だから少しはつけて体を温めて、室内でなく体が温まったら消せば良いのである。暖房の目的は当たり前だが、体を温めることにあるのだから。12月半ばから備え付けの大型ストーブをつけはじめたのだが、最初は10度で設定していた。慣れてくると6度設定にした。6度というのは私の持っているストーブの設定温度の最低温度である。しかしそのうちこの大型ストーブは使わなくなった。小型ので十分だからだ。12月の半ばころまで食器洗いにお湯を使い、風呂にお湯を使っていた。しかしこれが灯油を大量消費していることに気づき、やめた。食器は水で洗うのである。最初は100均のゴム手袋をして洗っていたが、これじゃー冷たすぎる。でホームセンターで温かいのを500円くらいで買った。これで苦でなくなった。尚、札幌の水道温は3月には2度まで下がる。

風呂はやめた。ダンボールシェルターで体を拭くことにした。そして雪解けの3月後半を迎えた。暖かくなって、もう寒さに耐えなくてもよいとなると何か気が抜けて寂しい気がした。人間には乗り越えるべき困難が必要なのだと改めて思った。

食器洗い用に手袋を購入。これは温かい。水温は2度まで低下する。

写真で見る灯油の消費量

我が家はホームタンクに灯油を入れてもらっている。灯油のおよその累計消費量を書いておこう
11月12日 0リットル
12月17日 20リットル
1月4日  50リットル
1月19日 75リットル
2月15日 95リットル
3月10日 98リットル
4月28日 100リットル

シーズン最初、11月12日の灯油の量。1目盛は約100リットル

12月17日の灯油の量。台所のお湯と風呂で約20リットル使った。このころからストーブ点灯。台所風呂のお湯はやめる。

1月4日。約60リットル消費。ただ、このころ灯油缶に10リットルちょっと入れたので実質的には50リットルくらい消費。

1月19日。約75リットル消費。

2月15日。寒さの峠を超えた頃。95リットル消費。このころから灯油消費量が激減。寒さにもなれダンボールシェルターが効果を発揮してきたのである。

3月10日。98リットル消費。このころ積雪がピーク。

4月28日。敷地の雪も完全になくなり。春になった。100リットル消費。3月10日ころからはほとんど消費せず。実質的に使ったのは2月15にくらいまで。

写真で見るその他の工夫。ドア、窓、壁へビニール、アルミシート

かなり多くの窓にビニールを貼った。ガラスは熱が逃げやすいからである。玄関のすりガラスに貼ったのは効果があったと思う。他のはわからない。それから居間の窓にスタイロフォームを夜つけた。これは効果があったと思う。2月半ばころには雪が深くなり家が埋もれてきた。すると家が暖かくなった気がする。たぶん雪の断熱効果だろう。

勝手口を塞ぎ、アルミシートを2重に貼った。これは効果大。大きな空気層ができたのがよかったかな。

寒いトイレの壁へアルミシート。あまり効果なかった。

奮発して1万6千円の高級じゅうたん購入。これは温かい。下にアルミシート、これの効果は疑問。

窓の隙間に隙間テープ。効果は疑問

窓にビニールを多重に。効果は疑問

夜間、窓にスタイロフォーム。これは効果あったと思う。

風呂に濡れたタオルをかけた。すると凍る。凍るときに熱をだす。1gあたり80calである。効果自体はあったが、風呂は使ってなかったので意味なし

すりガラスにビニール。1枚貼ったときは効果を感じたが、4重くらい貼ってもあまり効果を感じなかった。

家の断熱材は?

我が家は築40年だがおそらく壁には断熱材が入っていると思う。外が冷えてもそう急速には冷えないからだ。ただトイレの寒さは尋常ではなかった。ここには断熱材が入っていないように思う。下の写真にもあるように雪解け期には、トイレのかべ付近は雪がどんどん溶けた。ということは中から熱が逃げているということである。それから我が家は床が寒い。ここにも断熱材が入ってないと思う。だから基礎コンクリート部分にも入ってないということだ。下の写真にあるように基礎コンクリートのところから雪が溶けている。熱が逃げているのである。来年は基礎コンクリートにスタイロフォームでも貼ってやろうかと思っている。まあ、そんなことしている家はないが。

4月20日。トイレの壁のところは早く雪が溶けた。熱が逃げているのである。

4月20日。写真ではわかりづらいが、基礎コンクリートのあたりは雪が溶けて空洞ができていた。

温度計

温度計は部屋中につけた。100円ショップで買ったのをおいていたが、やめた方がいい。100円ショップで買ったようなものは20度前後ではそれなりに正確だが0度付近になると全くでたらめの値を示すからだ。一番いいのはガラス棒の温度計。ホームセンターで400円くらいで売っている。外気温の測定というのは難しいものである。場所によっても異なるし、時間による変動も大きい。部屋の中でも場所によってかなり違う。特にストーブをつけているときはそうだ。一般に下が冷たく上が温かい。断熱性の悪い家に住むと対流が生じて特にそうなる。これが部屋の温度が20度でも寒く感じる理由である。下はちっとも温まってないのである。

参考文献

一応伝熱工学の本なども図書館から借りてきて勉強した。上の本はわりと読みやすかった。