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光の軌跡の変換としてのローレンツ変換

2011年6月28日

はしがき

 本論文はローレンツ変換についての研究である。時間というものは本来、運動のことであるという考えのもと、光の運動を時間の定義として使い、それをもとにローレンツ変換を考察している。相対論は元々我々の日常に慣れ親しんだ感覚に反するので論理の進め方は、なるべく直感のみにたよらず確実に事実らしいところから導き、推論の連鎖は丁寧に書いた。ただ、初めてローレンツ変換を学ぶ人向けには書いていない。本論文ではローレンツ変換とは、互いに一様一定の速さで動いている系の間で、光の軌跡がどう測定されるのかの変換規則であるということを強調した。

 現代の物理学では座標を使った、解析幾何学的手法、代数的手法が主流である。筆者は、この座標幾何学的方法では確かに計算は速いし、新たな発見をするのに有効であるが、物理が埋没すると考えている。座標幾何学的方法は、方程式上ではこうならねばならない、というような感じで思わぬ発見ができるものである。筆者はこの座標幾何的手法より幾何学的な方法のほうが物理の本質や対称性が明白になるのではと考えている。ここでいう幾何学的とは座標幾何学に対するユーグリッドの原論にあるような幾何学のことである。尚、アインシュタインの一般相対性理論は座標幾何学の典型例でありユーグリッドの方法と対極をなすものだと考えられる。

2011年6月

目次

はしがき

第1章

第2章

付録A

あとがき

参考文献