付録E 固有値が実数であること、固有ベクトルが直交すること
固有値が実数であること
ϕはエルミート演算子Bの固有ベクトルで固有値はbとする。 ϕ†Bϕ=ϕ†bϕ=bϕ†ϕ であるが一方 ϕ†Bϕ=(Bϕ)†ϕ=(bϕ)†ϕ=b∗ϕ†ϕ である。だから bϕ†ϕ=b∗ϕ†ϕ だからb=b∗つまり実数でなければならない。
異なる固有値に対応する固有ベクトルが直交すること
ϕ1,ϕ2はエルミート演算子Bの固有ベクトルで固有値はそれぞれb1,b2とする。 ϕ†2Bϕ1=ϕ†2b1ϕ1=b1ϕ†2ϕ1 である。一方 ϕ2Bϕ1=(Bϕ2)†ϕ1=(b2ϕ2)†ϕ1=b2ϕ†2ϕ1 である。だから b1ϕ†2ϕ1=b2ϕ†2ϕ1 である, もしこの2つの固有値b1とb2が異なるならϕ†2ϕ1=0でなければならない。